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上海留学覚書

上海の片田舎から日常生活(食事・酒・煙草・雑念など)について綴ります。

粉ミルクの郵送(解説編)

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粉ミルクの郵送(解説編)

前回のエントリーは結果報告でしたが、今回は解説編です。


まず“元締め”である中国海関(税関)の規定について、言及したいと思います。話にオチや冗談の要素はあまり入ってきません、予めご了承ください。


はじめに海外からの郵送に関する規定について確認しておきたいと思います。中国海関のHPには『海关总署公告2010年第43号』(2010年7月2日発布)という条例が掲載されています。


一、个人邮寄进境物品,海关依法征收进口税,但应征进口税税额在人民币50元(含50元)以下的,海关予以免征。
(個人の海外からの物品郵送について、税関は法律に基づいて輸入関税を徴収するが、輸入関税の税額が50元以下〔50元を含む〕の場合は、免税とする。)


二、个人寄自或寄往港、澳、台地区的物品,每次限值为800元人民币;寄自或寄往其它国家和地区的物品,每次限值为1000元人民币。
(個人が香港・マカオ・台湾から物品を持ち込んだり郵送する場合は、免税の限度額は一度に800元〔約16,000円〕まで、その他の国や地域から持ち込んだり郵送する場合は、免税の限度額は一度に1000元〔約2万円〕までとする。)


まず理解すべきは、海外からの物品郵送の免税の限度額が、1000元(約2万円)ということです。


次に、粉ミルクについてですが、中国海关(税関)のHPに次のようなQ&Aがありましたので紹介します。


Q.“从国外邮寄或携带奶粉进境,海关对此有什么要求?可以带多少?”(2013年11月22日発布)

(国外から粉ミルクを郵送したり持ち込んだりする際、税関ではどのような制限がかけられるのですか?いくつまで持ち込めますか?)


A.“海关对旅客携带的奶粉按照“自用、合理数量原则”验放。具体数量由现场关员根据旅客的旅行目的地、进出境频率等情况加以把握。对超出规定免税限值但仍在自用合理数量范围内的可选择退运或征税放行。
  奶粉按照每千克200元人民币作为完税价格,税率10%。通过邮寄途径进境的奶粉,根据总署43号公告的有关规定,个人寄自或寄往港、澳、台地区的物品,每次限值为800元人民币;寄自或寄往其他国家和地区的物品,每次限值为1000元人民币。
  所有邮递进境的物品海关均征收进口税,但应征进口税税额在人民币50元(含50元)以下的,海关予以免征。  奶粉的完税价格为200元人民币(千克),从非港、澳、台地区邮寄入境在规定的限值范围内最多可以邮寄5KG婴儿奶粉,但税额超出50元人民币的须全额征税。奶粉的税率是10%。属于亲友间赠送的可按个人物品办理手续,否则应按货物办理通关手续。”


要点のみ記します。粉ミルクの課税価格(完税・dutiable value)は一キロ200元(約4000円)に設され、5キロまでは免税範囲だと記されています。これは、海外からの物品の郵送・持ち込みの免税の限度額が1000元であることを基準に算出されています(つまり、粉ミルク五キロの課税価格はちょうど1000元)。


もし粉ミルク一缶800から900gだとすると、理論上は五~六缶までは大丈夫ということになります。課税・非課税については、税関職員が現物を見て判断すると条文にあるので、私にも分かりません。


また、気になるのは、


“奶粉按照每千克200元人民币作为完税价格,税率10%。”

“应征进口税税额在人民币50元(含50元)以下的,海关予以免征。”


とあるように、「粉ミルクの課税価格は200元で、税率は10%である。」、「税額が50元以下(50元を含む)であれば免税となる。」と記されていることです。つまり、粉ミルクは1キロ200元という計算で、税率は10%ですから、税額は20元になります。税額が50元を超えると(51元から)、関税を払わねばなりません。そうなると、粉ミルクは2.5キロで税額がちょうど50元に達してしまい、それ以上を郵送すると関税がかかることになってしまいます。


これでは、最大五キロまで大丈夫という文言と矛盾するんじゃないかと、はじめは思いました。私は4缶(約3.3キロ)送りましたので、送り主(親)と送り先(知り合い)に関税は払ったかと聞いたところ、双方とも「関税?そんなの払ってないよ。」とのことでした。


どうやら、税率10%云々というのは、免税範囲(1000元)を超えた際に、適応される規則であるようです。つまり、その税率によって、輸入関税の金額が決められるのではないかと思います。


以上の内容は、ネット上で調べたものですが、発送前にはやはりまだ不安だったので、中国海关に電話して直接聞いてみることにしました。その時はちょうど春節の休み期間中だったのですが、中国海关のHPには海关热线(税関ホットライン)なる項目があり、中国各地の海关の番号が記されていました。そこで、私は送り先が東北地方だったので、東北某所の海关に電話しました。


私「お尋ねしたいんですが、粉ミルク4缶、合計五キロ以内のものを日本からこちらへ送ると、関税はかかりますか?」


担当者「関税がかかるかは、現場で判断しているので、答えるのは難しい…。」


どうやら(↑の条文にもあるように)現物を確認してから判断するようです。一応、経験豊富な?上海の海关にも電話してみました。


私「お尋ねしたいんですが、粉ミルク4缶、合計五キロ以内…」


担当者「またお前か?さっき言った通り、現場で判断することになっているから!」


どうやら春節の休暇中で、担当者は一人で複数地域のホットラインを担当していたようです。お疲れ様です…。


今後、また条例が変わったり、レートの変動などにより、規定の範囲も変わると思いますので注意した方が良いと思います。


また、↑の文章において、あるいは私の解釈が間違っているかもしれません、何かありましたら、下のコメント欄にお願い致します。


ちなみに、私は粉ミルク業者でもありませんし、どこかの回し者でもありません。请不要误会!
谢谢!



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