免税と銀聯カード（2）：一時帰国雑感⑤

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2024/11/24 01:23

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免税と銀聯カード（2）：一時帰国雑感⑤

免税店（TaxFreeShop）とは、輸出物品販売場のことで、そこで対象物品を一定額以上購入すると、消費税8％が免除されます。厳密に言うと、空港にあるのは、消費税のほか輸入関税（Duty）が免除されるDutyFreeShopです。

近年、訪日外国人客の増加に合わせて、そのインバウンド消費も増加しているわけですが、観光庁のＨＰによると、免税店の数は15年4月時点で18,779店あり、半年間で9,418店も増えたようです。これは去年の数字ですから、おそらく現在は2万店を越えているのではないでしょうか？

さて、免税を受けられる対象者は「非居住者」ですが、それは外国人と一定の条件を満たした日本人です。ここでは島国人限定のお話になります。

日本人で免税を受けられるのは、国土交通省観光庁の消費税免税サイトによると、以下の4つの条件を満たす人になります。

①外国にある事務所（日本法人の海外支店等、現地法人、駐在員事務所及び国際機関を含む）に勤務する目的で出国し外国に滞在する者

②2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者

③①及び②に掲げる者のほか、日本出国後、外国に2年以上滞在するに至った者

④①から③までに掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の者

ざっくり言ってしまうと、海外に二年以上滞在していて、一時帰国している人となるようです。知り合いに短期留学（一年）をしている人がいるのですが、免税はやはり受けられなかったそうです。

次に、対象物品は一般物品と消耗品に分けられ、それぞれ最低購入価格が定められています。

一般物品（家電製品・カバン・靴・洋服・着物・時計・宝飾品・民芸品）
・１人の非居住者に対して同じ店舗における１日の販売合計額が１万円を超えること。
・販売合計額が100万円を超える場合には、旅券等の写しを経営する事業者の納税地又は販売場の所在地に保存すること。

消耗品（化粧品・医薬品・食品・飲料・果物）
・１人の非居住者に対して同じ店舗における１日の販売合計額が５千円を超え、50万円までの範囲内であること。
・非居住者は、消耗品を購入した日から30 日以内に輸出する旨を誓約すること。
・消費されないように指定された方法による包装がされていること。

化粧品は液体のものもあるわけですが、頼まれものだったので、手荷物として機内持ち込みにしたところ、検査で引っかかった話は前回しましたが、これはどうやら液体の機内持ち込みの規定に引っかかったのだと思います（ジッパー付きの透明な袋に入れて、中身は100ml以下の容器に詰められているものだけ持ち込み可能）。

ただ、免税店の店員さんが透明の袋に商品を入れて、出国するまで開けないでくださいと言うのは、免税品はそもそも輸出商品なので、国内で開けてはいけないようなのです。

さて、このような細かい規定については、外国の旅行客の方々は分かるのか？と思い、免税店で観察してみました。

レジに並んでいると、まず後ろから聖闘士星矢の中国語バージョンが聞こえてきました。80后（80年代生れ）には馴染み深いアニメです、子連れの若いお父さんがお目当ての物を買えたのか上機嫌で歌っておりました。

前には、こちらも中国から来られた中年の夫婦が10点くらいの化粧品を購入している所でした。上手く購入できるか見ていると、店員さんが言ったのです。

「パスポート、プリーズ。」と。

？？？

どうやら聞き取れていない様子。そうです、パスポートと、passportは違うのです。なんというか、ピザじゃなくてピッツァですみたいな…。

彼らが戸惑っていたので、私は「パスポート見せて下さいって言ってますよ。」と拙い中国語で言い、さらに出国するまで袋開けちゃダメらしいですと伝えると、夫の購入手続きをみていたご婦人のほうが、这么麻烦！（なんて面倒くさいの！）とつぶやいていました。

そして、なんとか全てを終えて帰ろうとするおじさんは、まず私に「谢谢啊。」と礼を言い、さらに店員さんにむかって、ちょこっとお辞儀をしてから、「ありがとう」とたどたどしい日本語で言っていました。

ごーまんかましてよかですか？

やればできるじゃないか！

すいません、その時私が思ったことを、そのまま書いています。いろいろと面倒な手続きをしてくれた人に感謝の意を表す、それはとても自然なことです。なんというか、少し微笑ましかったというか、心がほっこりしたというか、そういう感じになったので、記しておきます。