上海って、なんで上海って言うの?
上海に来た友人や知り合いから、聞かれることはまずありません。。。私は漢字の意味から、海の上(ほとり)にあるからと思っていました。地名の由来には、いくつかの説があるわけで、このような解釈も間違いではないのですが、ここで上海の由来について、私は忘れやすい性格なので簡単に記しておきたいと思います。
上海の由来には、“河の名前説”と“海のほとり”説があります。
古代、今の上海市がある地域は海の底だったという話は有名(?)ですが、現代の上海の発展と関係するのは、唐代に華亭県(現在の上海市松江地区はその一部)が設置されたことに始まります。華亭県の東側は“華亭海”と呼ばれる海が広がり、現在の上海に相当する地域はまだ完全には陸地化していなかったようです。
北宋時代の文献によると、当時吴淞江の下流の南岸に、“上海浦”・“下海浦”という小河があったようです。また“上海浦”の位置について、元代の『至元嘉禾志』という本には、松江城の東北90里にあったと書かれており、その地域はおおよそ現在の上海の市街地付近に相当するようです。
その後、河川・海を通じた交通の便によって、この“上海浦”付近に人々が住み着き、この地域が徐々に発展を遂げ、(宋代)上海鎮→(元代)上海県→1927年上海特別市→1930年上海市となっていったというわけです。
上海の発展の基礎となったのは、さきほど挙げた華亭県→華亭府→松江府(現松江地区、松江については“上海歴史文化之根”・“先有松江府、後有上海灘”という言葉も残っている)で、現在の上海市内はいわば後発地域だったわけです。
さて、もう一つの由来ですが、明代に編纂された『弘治上海県志』には、「(上海県)称上洋、海上……其名上海者、地居海之上洋故也。」とあります。つまり、上海は上洋・海上とも言われ、上海というのは、その地から船が出港する場所であったことに由来すると書かれてあります。つまり、海の上(ほとり)にあった地という意味かと思われます。
以上の河の名前説と海のほとり説ですが、ざっくり言ってしまうと、いずれも上海という地名は、海のほとりという立地に由来するものと言えます。
上海には、別称として申と沪(滬、車のナンバープレートにはこの字が使用される)があるのですが、その由来については次回書きたいと思います。