前回の続きです。運転手(四川省出身の30代女性ドライバー)の語り口調でお伝えします。 「(肉まんををほおばりながら)私朝ごはん、まだなの、食べていい?今日は霧が濃いわね、えっ?雾霾(スモッグ)だって?違うわよ、これは普通の霧。
最近(=春節直後)客はさすがに少ないわね、地方から働きに来てる人は、みんな実家に帰ってるからね。上海人も春節中は家にいることが多いらしいから。家に帰らないのかって?私こういう仕事してるし、なかなか帰れないの。
最近帰ったのは、、、12年の時かな?私の実家、四川省だから、遠いのよ。でも家に帰ると賑やかよ、親戚で集まって、麻将したり象棋(中国将棋)したり、放鞭炮(爆竹を鳴らしたり)楽しいよ。
帰りたいかって?そりゃぁ、帰りたいけど、タクシー乗ってると、毎日会社に経費を払わないといけないから、あんまり休めないのよね。休んだら売り上げないでしょ、その分は自分で払わないといけないから、大変なの。経費のほかに、燃料代・修理代なんかも自腹だからね、
タクシーはGPSをつけてて、タクシー会社は客から電話を受けてから、客の乗車位置から最も近いタクシーに連絡するの。私、あなたの宿舎から近いとこに住んでて、これから出勤するところだったから、ちょうどよかったの。
私の勤務時間?大体朝から夕方までかな、夕方から朝方までは、私の旦那が運転してるの。幼稚園の娘がいるから、家に帰るとご飯作ったり、洗濯・掃除をしてるわね。実家に帰らないのかって?
なんだかんだいって、上海は給与水準も高いし、まぁなんとかやっていけてるから、当分は帰らないわね。ただ、心配なのは、娘の進学ね、いい小学校には、やっぱり都市戸籍がないと、入るのが難しいの。戸籍をとるにはどうすればいいかって?家を買うのよ、家があれば上海に定住してるっていう証明になるからね。まぁ郊外でも高すぎて買えないけど、ハハハ。
まぁ、なんとかやってるのよ。あら、もう着いたね、旅途愉快!(よい旅を!)」
生活は決して楽ではないけれど、たくましく生きている人の話を聞くことが出来ました。やはり子供が元気に育って欲しいというのが、母親としての願いなのでしょうし、生活の原動力となっているように感じました。頑張っている姿を見せてもらったので、タクシー内で朝ごはんを食べようが、全然大丈夫でした。