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上海留学覚書

上海の片田舎から日常生活(食事・酒・煙草・雑念など)について綴ります。

あるネット民の告白“揉めてる場合じゃないぜ”

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あるネット民の告白“揉めてる場合じゃないぜ”


昨年の6月くらいから、以下のようなコピペが掲示板などによく転載されています。
原文は大人の事情により少し変えています。原文に続いて拙訳をつけます。

《女記者採訪農民工》
(ある女性記者による出稼ぎ労働者へのインタビュー)


女記者:“假如爆発戦争、你願意上前線嗎?”


農民工:“上前線有戸籍制限嗎?要健康証麼?暫住証嗎?我甚麼都没有、能上麼?”、“還有、犠牲了大家賠銭都一个價麼?真打的時候、分編制内和臨時工麼?是編制内的先上還是臨時工先上?可以站在城管的後面麼?”



女性記者「もし戦争が起こったら、あなたは前線へ行って戦いますか?」

出稼ぎ労働者
「前線へ行くのに戸籍の制限はあるの?(俺は農村戸籍だけど問題ない?)保険証とか暫住証(*1)もいるの?
俺は何も持ってねぇよ。それでも大丈夫かい?」

「それと、もし戦争の犠牲になったら、見舞金ってみんな一律なのかい?本当に戦うことになったら、正規雇用者と非正規雇用者の違いってあるの?前線に行くのは、正規の人が先?それとも非正規?もし前線にいけたら、城管(*2)の後ろにいてもいいかい?」


*1農村戸籍の者が都市に居住する際、都市の行政機関から交付される臨時の戸籍
*2=都市管理局職員、路上販売や違法駐車などを取り締まる。違反者には鉄拳制裁を加えるので、庶民から目の敵にされている。


“創られた会話”の中から、貧富の格差・戸籍問題・雇用問題などが浮かび上がってきます。これら以外にも、昨今の大気汚染などの環境問題・食品の安全・少子高齢化など问题堆积如山(問題山積)です。


大気汚染は我々にとっても問題となっていますし、少子高齢化や年金問題などの社会福祉でも同様です。これらの問題は、対岸の火事ではないのです。両国は実際の行政制度や国情(その国の置かれた状況や特徴)こそ異なれど、共通する問題に直面しつつあります。現在では、経済面・環境面で中国に何かあると、やはり何らかの影響を受けざるを得ません。今後も中国が風邪をひくと、それが他国にもうつる状態がしばらく続くのではないでしょうか。


最近、企業の東南アジアシフトが盛んにいわれますが、現在中国に展開する日系企業が、いままで築き上げた販売網や現地のサプライヤーとの関係をすべて放棄して、異国で一から事業を立ち上げるのは大変困難なことです。


また、お互い文句を言い合っているだけでは、問題は解決できません。他人・他国を罵ったところで、憎悪を生むどころか、自己の品位(さらには自国民・自国の印象)をも貶めることになります。


ドライな言い方をすると、両国は必ずしも“友好的”になる必要はありませんが、直面する問題について協力しつつ、問題を解決する時期にきています。


そう、もう揉めてる時間なんてないのです。

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